「Swing」  あいつ、がそいつを見つけたように。  俺も、そいつを見つけていた。  どこか、似ているのかもしれない。  俺とあいつは。  だから、同じようなものに、惹かれていたのだ、と思う。  それは、そいつと知り合ってから二度目の冬のことだった。 「うー、寒い寒い」  薄っぺらいジャケットだけを着こんだそいつは、くしゃみを した。 「おまえなぁ、初詣になんでそんな格好で」 「コートを出掛けにびしょぬれにしたんだよ」 「なんでまた」 「……」 「扱けたのか、玄関で」 「……うるさいな」  図星のようだった。 「とろいなぁ、ほんとに。本ばっかり、読んでいるからだ」 「悠やおまえみたいに筋肉馬鹿になりたくないだけなんだけど」 「で、寒さに震えてればしょうがねぇだろ」 「う」 「ほれ」  俺は、被っていた毛糸の帽子を脱いだ。  そしてそいつの頭にはめてやる。 「わっ」  両手で目の上まで引き上げたそいつは不満そうだった。 「いきなりなにするんだ」  それからコートを脱いで、渡す。 「い、いいよ」 「風邪でも引かれたら、悠に怒られる」 「……保護者同伴か、オレって」 「まぁ、そういうことだな」  ぽんぽん、と頭を叩く。 「だから、叩くなって」  同年代から見れば随分俺は体格が良いほうだから、どう しても見下ろす形になってしまう。 「背が伸びなくなるじゃないか」 「そりゃつむじを押した場合だろ?」 「おまえはそのつむじを叩いてるんだよっ」  ぽむぽむ。 「だーかーらー」 「はははは」 「爽やかに笑うなっ」  あいつ、がそいつを見つけたように。  俺も、そいつを見つけていた。  でも、俺は、ただ、想いに揺られていただけだった。  それは、多分、そんな気持に気がついた、冬の日のこと――